9月も中旬、といっても暑い日が続いていますが、
季節の果物、野菜などは着実に夏から秋に変化しています。
朝晩の涼しさが感じられるとナシやリンゴなどが食べたくなってきます。
リンゴを使った焼き菓子は、もっと先に出る酸味の濃厚な「紅玉」くらいからと思っていましたが、
先日、飛騨高山の朝市で食したリンゴが酸味があって、これは使えるのでは・・・と、
早速取り寄せ試作してみることにしました。
これは「しなのレッド」という早生リンゴ(夏リンゴ)だそうです。
ゴールデンデリシャスと紅玉の交配でできた津軽とビスタベラの交配種で、
まだ新しい品種のため生産量が少ない希少種とのこと。
緑と赤の色付きが美しく、酸味はやや強めで甘味とのバランスが良く、果汁も多いリンゴです。
今回は焼き菓子用にと、熟したものではなく少し若いものを選びました。
試作のおやつはマフィン。
「りんごとクルミ」、「りんごと紅茶(アールグレー)」の二品。
りんごとクルミのマフィン
香り高くローストしたクルミを粗く割っておきます。
りんごと紅茶(アールグレー)のマフィン
紅茶(アールグレー)を細かくしておきます。
アールグレー( Earl Grey)はベルガモットで
柑橘系の香りをつけた紅茶。
今回はベルガモットの香りのよいフランス製のものを使用。
リンゴを適当な大きさに切り分け、砂糖(ブラウンシュガー)、塩、
洋酒(カルヴァドス)でマリネしています。
それぞれの生地にクルミ、アールグレーを混ぜ、マリネしたリンゴを積み重ねていきます。
ハニービーナスと一緒でリンゴの間に生地が・・・です。
最後にアーモンドのクランブルをのせて焼き上げます。
焼くこと数十分・・・出来上がりです。
見た目は両方とも同じようですが、お互いの個性の違いが味わえます。
味わいはといえば、
リンゴは紅玉の濃厚な甘酸っぱさと違って、さっぱりとした爽やかな甘酸っぱさです。
秋が深まっているわけではないので、この季節にはよく合った甘さと酸味に感じました。
「りんごとクルミ」はクルミの香ばしさとリンゴの酸味、
アーモンドクランブルのカリッとした口当たりとその甘さが
夏にはない秋のおやつだなー・・・と。作ったものが云うのもなんですが、美味しいです。
「りんごとアールグレー」は、これは食べるアップルティーです。ベルガモットの香りと紅茶の苦みが、
リンゴの酸味とクランブルの甘さと調和して・・・。
これも作ったものが云うのもなんですが、これは大好きです。
店頭に並べたところアッという間に売り切れてしまいました。
リンゴの好きなお客様がとても多いことに驚きました。
秋の深まりとともに、リンゴも「紅玉」「フジ」と変わり、
季節に応じてその味わいも変わってきます。
マフィン、タルト、ケーキとリンゴを使ったおやつは来年まで続きます。お愉しみに。
(次回はリンゴのタルトの予定です。)