イギリスのお菓子や料理が好きで、いろいろと調べたり作ったりしているなかで、
イギリスの「ブラムリー」というクッキングアップルのことが気になっていました。
そのブラムリーが日本(信州小布施など)でも育てられ、手に入れることができるのを知ったのが昨年。
でも時期的に遅すぎて間に合わず・・・「今年こそは!」と待ち望んでいました。
それが先週、やっと手に入りました!!
早速ブラムリーを使った焼き菓子、店頭に並びました。
「Bramley ブラムリー」とは
イギリスのりんごは、加熱調理用の「クッキング・アップル」と、
生食用の「イーティング・アップル」とに分けられているとのこと。
加熱調理用のリンゴで一番多く栽培されているのが「ブラムリー」という品種だそうで、
19世紀後半頃からイギリス人の生活には欠かせないリンゴとなったようです。
日本では長野県の小布施町(栗の産地です)で、
1990年頃にイギリスから穂木を譲り受けて商業栽培が始まったそうです。
このリンゴ、色が青くて酸味が強いのが特徴です。
デコボコしてかたそうに見えますが、
火を通すとすぐにしんなりして、パンチのある酸味と素晴らしい香りが味わえます。
お菓子はもちろん、料理にもよく合うリンゴです。
そのまま食べてもいいのですが、酸っぱいのが苦手な人は止めた方がよいでしょう。
ブラムリーの日本での入手法や調理法などに興味がある方は、
ぜひ「ブラムリーファンクラブ」「小布施屋」というサイトをご覧ください。
ブラムリーについての情報などが豊富にのっています。
りんごのタルト
りんごのタルトは他にタルト・タタンがありますが、
こちらはアーモンドクリームを使ったタルトです。
小さく薄切りにしたブラムリーを皮付きのままバターと砂糖でキャラメリゼし、
アーモンドクリームと合わせたものをフィリングにします。
その上にくし型にうすくスライスしたブラムリーを皮付きのまま並べ、
砂糖とバターをのせてしっかりと焼き上げます。
火を通すとすぐに柔らかくなるので、表面にのせたブラムリーは泡のように大きく膨らみます。
オーブンの中で焼けたブラムリーから出たジュースと砂糖、バターが合わさって、
型の外に蜜のようにあふれてきます。
それがさらに焼けて、甘酸っぱくてキャラメルのような香ばしい美味しい香りがしてきます。
その味わいは、キャラメリゼされた濃厚なブラムリーの香りと
パンチの効いた酸味で、リンゴだけで作るタルト・タタンを思わせます。
キリッと甘酸っぱいリンゴ好きの人にはおすすめのタルトです。
日本のりんごで近いといえば「紅玉」がそうですが、
ブラムリーのこの酸味の奥深さは初めてです。
私がああだこうだと言うよりも、是非一度食べてみてください。
ブラムリーのジャム
ブラムリーのジャムを作ろうと、リンゴを小さく薄切りにしていると、
リンゴの若くてみずみずしい香りのその奥に、
多分このリンゴが育った畑の水や、リンゴの木の下の草の匂い(におい)などを感じました。
この大きなリンゴの実(600gくらい)が育つのには
たくさんの水が必要でしょうし、
その同じ水で周りの草木も育っているのでしょう。
うまく言えませんが、
土の中の目には見えない根っこを通して、
畑の全部がこのリンゴの実になっている。
そんなことを感じました。まさに果実だな・・・と。
大切に育てられているからなのだと思います。
ジャムを作るのに、はじめはコショウを入れようか、シナモンやクローブもいいな、
生姜はどうだろうか、ほかの果物と合せたら・・・などいろいろ思っていましたが、
全部やめにして、シンプルに皮つきのリンゴと
砂糖、ほんの少しのレモンと塩で・・・作りました。
火を通すとすぐに柔らかくなるので、すぐにできてしまいます。
その分、火加減の調整や砂糖を入れるタイミングが大変で、
今回は少しかためにできました。
シナモンクランブルのスクエアケーキ
(10月8日 追記)
リンゴの焼き菓子に欠かせないのはシナモンなどの香辛料ですが、
ブラムリーに関しては素材そのものを味わってもらうために、
タルトやジャムには使っていません。
でもシナモンとブラムリーの焼き菓子を・・・・・。
作ってみたのはスクエアケーキ。
パウンドケーキと同じ材料の生地に
くし形に切ったブラムリーを軽くキャラメリゼしてのせ、
さらにその上にシナモンのクランブルをのせてしっかりと焼き上げます。
ブラムリーの酸っぱさとシナモンクランブルの焼けた香りよい甘さ。
ブラムリーが焼けてトロッと溶けた食感と生地のキメの細かさ。
これらが一体となった口どけのよいスクエアケーキです。