心身ともに疲れてくるとシュー・クリームが食べたくなります。
当店では作っていないので、ケーキ屋さんに買いに行かなくてはなりません。
カスタードクリームを使った焼き菓子は何かないかな・・・?
探しているとありました。タルトのフラン。
パリのパン屋さんなどで人気のタルトのフラン。
フランス人は本当にこれが大好きだそうです。
ちょっと手間がかかりますが、作り方は簡単。
カスタードクリームを作って、タルト台に流し入れて焼くだけ。
焼きカスタードクリームのタルト。
パン屋さんのフランならぬ
「焼き菓子屋のフラン」です。
「フラン」の語源は、「刻印するための丸い型をした鋳型」をさす冶金用語の
Flanに由来しているそうで、
ここから丸い食べられる器(タルト生地)に詰め物をした菓子を
そのように呼ぶようになったとか。
タルトとの違いは、詰め物が牛乳や生クリームのようにクリーミーであって、
形が必ず円形であるということのようです。
何か難しいようですが、
あくまでも慣例にしたがった呼び名のようです。
「焼きカスタードクリームのタルト」でもいいのですが、
当店では、このタルトをお洒落っぽく親しみやすいよう
「焼き菓子屋のフラン」としました。
当店でフランと言えばこれです。
シンプルで素朴な焼き菓子ですから、
素材の味がすぐわかってしまいます。
ですから材料も新鮮で良質のものを使うよう心がけています。
たっぷりの卵黄にミネラル分の多いキビ砂糖(粗精糖)、北海道の小麦粉、
パスチャライズ牛乳と生クリーム、バニラビーンズ、自然塩を使ってカスタードクリームを作ります。
クリームを冷ましてタルト型に流し込んで焼くこと数十分。
温かくても冷たくても美味しい焼き菓子です。
焼けたカスタードクリームのむっちりとした食感と、タルト台のサクッとした食感。
口いっぱいに拡がるクリーミーな甘さ。
いつまでも残る余韻の長い幸せな味わい。
焼いたカスタードクリームには滋養のほかに
心を満たす深い味わいがあるように感じます。
当店では、牛乳や生クリームを使ったフラン種のタルトがたくさんあります。
これは「りんごのクラフティ・タルト」
カスタードクリームは小麦粉が入りますが、
これは小麦粉を使わないプリンと同じものを使ったタルト。
よく家で作っていたりんごのクラフティをタルトにしたもので、
クリーミーな甘さにリンゴの酸味が加わって
とてもスッキリとした美味しさです。
ほかにもこのりんごのクラフティ・タルトに、
サワークリームを加えてもっとサッパリとさせた
「アルザス風のりんごのタルト」などがあります。
あとレモン、ラズベリー、ブルーベリー、チェリーなどのタルトも
フラン種で作る焼き菓子です。
フラン種にはチョコ・フランもあります。
これはビターチョコを加え、
チョコと相性のよい洋梨を詰めて焼き上げたチョコ・フラン。
ほろ苦くグッと大人の味わいになります。
洋梨は季節には生を、ない時には白ワインでコンポートしたものを使います。