ブラウニー(英;Brownie)はアメリカ生まれのチョコレートの焼き菓子。
名前の由来は、仕事から疲れて帰ってきてそのまま眠ってしまった後、
部屋を片付けてくれる「妖精ブラウニー※」が
このお菓子と同じ色をしていたことから、
「ブラウニー」と名づけられたといわれています。
brownieの"ie"は名詞について親愛の意を表す接尾語。
小さな子供が「あの美味しい"茶色いの"ちょうだい」とママにねだったんでしょうね。
(「人気スイーツランキング」を参照しました。)
※「妖精ブラウニー」はスコットランドや北部イングランドで伝承されている妖精のひとつ。
日本で近いのは座敷童子かな?
その姿で最も多く伝承されているのは、
身長は1メートル弱で、茶色のボロをまとい、
髪や髭は伸ばし放題というもの。
この茶色(ブラウン)を基調とした容姿から、
ブラウニー(茶色い奴)と呼ばれているそうです。
当店のブラウニーはフランスタイプのものが多く、
混ぜる量の多い順にクーベルチュールチョコレート、卵、牛乳、
小麦粉、砂糖、塩、膨張剤となっています。
チョコの比率が高く小麦粉が低いため、チョコをしっかりと感じる
ねっとりとした食感のチョコバーのようなブラウニーです。
この配合に、オレンジやイチジク、クルミ、コーヒーなどの
副素材を足して混ぜ、焼きすぎないよう注意しながら火を通します。
他にホワイトチョコのブラウニーもあり、
こちらはクーベルチュールホワイトチョコと小麦粉が同量で、
しっかりと時間をかけて焼き上げます。
初めてブラウニーという名前を耳にしたのは、
十数年前、焼き菓子とか何も知らない頃に見た映画
「ノッティングヒルの恋人」(1999年公開のイギリス映画)
( ブラウニーって何?という感じ)
この映画は、ロンドン西部のノッティングヒルを舞台に、
アメリカの人気女優アナを演じるジュリア・ロバーツと、
冴えない旅行書専門の本屋の店主ウィリアムを演じる
ヒュー・グラントとのラブロマンス。
ブラウニーが出てくるのは、
二人が知り合い、
ウィリアムの友人マックスの家での、
ウィリアムの妹ハニーの誕生パーティーに招かれた時に、
皆で最後に残ったブラウニーを賭けて
誰が一番惨めかをそれぞれが話す有名なシーン。
みんなは「女にもてない」とか、「事故で車椅子生活になった」こととか、
いろいろと自分の惨めさを話し始めます。
最後に一番幸せだと思っていた女優アナが話し出します。
「19歳から毎日厳しいダイエット。つまり10年間いつも飢えてるの。
いい男にも出会えなかったし、私を殴る男もいたわ。
失恋で傷つくたび、マスコミは面白おかしく書きたてるわ。
それに2回もの痛い手術に耐えて、この顔になったのよ」
「ほんと?」
「そう遠くないうちにルックスは衰え、演技がヘタなのもバレる。
そして私はただの寂しい中年女になるのよ。“昔有名だった女優に似てる女”に」。
アナのシリアスな話にその場には重い空気が。
しかし、マックスが「だまされないぞ」のひとこと。
相手は女優で、全部がホントかウソか分からないところが面白いおしゃれなシーンです。
全編が細かいところまで丁寧に作られた、脚本の素晴らしい映画で、
一度ご覧になることをお勧めします。
すでに見られた方も、もう一度見られるとまた新しい発見があるかも・・・・。
Anna : Wait, what about me?
Max: Sorry, you think you deserve the brownie?
Anna : Well a shot at it at least huh?
William: Well, you'll have to fight me for it, this is a very good
brownie.
Anna : I've been on a diet every day since I was nineteen,
which basically means I've been hungry for a decade. I've had a series
of
not nice boyfriends, one of whom hit me. Ah, and every time I get
my
heart broken, the newspapers splash it about as though it's
entertainment. And it's taken two rather painful operations to get
me
looking like this.
Honey: Really?
Anna : Really. And, one day not long from now, my looks will go, they will discover I can't
act and I will become some sad middle-aged woman who
looks a bit like someone who was famous for a while.
Max: [long pause] Nah, nice try, gorgeous, but you don't fool anyone.
現代版ローマの休日ともいえるこの映画の
ラストシーンで流れるエルヴィス・コステロの「She」も
このシーンにぴったりの素晴らしい曲。
もともとはフランスのシャルル・アズナブールが1974年に発表した曲で
元の題は「忘れじの面影」 (Tous les visages de l’amour)
日本のレンタルDVDはオープニングがシャルル・アズナブール、
ラストシーンがエルヴィス・コステロになっていました。
どちらも個性的で素敵な歌い手さんです。