最近の新しい焼き菓子です。
イギリスの焼き菓子で「ロック・ケーキ」
ハリー・ポッター・シリーズの森番ハグリッドの十八番で、
ハリーが初めて小屋に行った時にふるまったり、
夏休み中のハリーにふくろう便で送ったりしていたアレです。
ロック・ケーキは見た目が岩のように見えることから名付けられたもののようで、
外はサクサクで中はしっとりした食感です。
当店ではビスケットとクッキーの中間といったところ。
一説では、食糧難の第二次大戦中に材料をたくさん使うパウンドケーキから
砂糖・卵・バターを半分程度に減らして作ったところから生まれたと言われています。
口に入れるとホロっとした食感で、
甘酸っぱいフルーツの香りが広がる、
シンプルで素朴な美味しさが愉しめる焼き菓子です。
使っている原材料は、
小麦粉(北海道産薄力粉、鳥取産石臼挽全粒粉、カナダ産ライ麦全粒粉等ーその時々で変わります)、
ドライフルーツ(カレンズ、サルタナレーズン、グリーンレーズン、クランベリー、オレンジ)、
砂糖(奄美産粗製糖)、北海道産バター、島根産卵、
島根産パスチャライズド牛乳、モンゴル産岩塩、(アルミフリー)ベーキングパウダー。
これらをざっくりと混ぜて、天板に落として焼くという
シンプルでお手軽な焼き菓子ですが、
あまりの素朴な美味しさに毎日のように焼いています。
このレシピのドライフルーツの量を減らして、
そこにチョコチップを加えた「チョコ入ロック・ケーキ」も時々出ています。
最近の新しい焼き菓子の紹介です。
知人からプレゼント用にマルグリット型のケーキを作ってみたら・・・
ということで、作ってみました。
マルグリットとはフランス語読みで、英語で言うとマーガレットになります。
花の形をそのままに、可愛らしくエレガントな雰囲気をもつデザインは、
決して古くはならない美しい趣がある型です。
「マーガレット型のアーモンドケーキ」
型のサイズは17㎝と20㎝のふたつ。
17㎝はホールで、20㎝はカットして店頭に。
中身はアーモンドの香りいっぱいのしっとりとしたアーモンドケーキに。
内容は以前から作っている「パン・ド・ジェンヌ」のレシピを一部変えて、
素朴で、キメの細かい、軽い仕上がりの、
アーモンドの香りいっぱいの味わい深い焼き菓子に。
原材料はアーモンド粉、卵、砂糖、
発酵バター、小麦粉、洋酒、塩。
小麦粉はほんの少しに、
バターは当店では珍しく発酵バターを使用。
普通のバターでは味わえない深い味わいの焼き上がりになります。
洋酒はアーモンドの香りのイタリアのリキュール
「アマレット」を加えて焼くことで大人の味わいに。
「ディサローノ アマレット」は、ビターアーモンド(杏の核)と
バニラビーンズから抽出したエッセンスを使用したイタリアのリキュールで、
アーモンドや杏仁豆腐を思わせる甘い豊かな香りと奥深い味わいが特長。
余談ですが、アマレットの起源は、ある名画をめぐる愛の物語に由来するそうです。
16世紀のころ、レオナルド・ダ・ヴィンチの弟子にあたるルイーニという画家が、
宿の女主人の美しさと信仰心に魅せられ、
彼女を制作中の絵のマリア様のモデルにします。
そのお返しに、彼女はたくさんの杏の核をブランデーに漬け込んだ
琥珀色のお酒を作ったといわれています。
こうしてアマレットは愛の印として知られるようになったのだそうです。
しっとりとした食感のアーモンドの香りいっぱいのこのケーキ。
飽きのこない味わいで、保存性もよい焼き菓子です。
特に17㎝ホールは、ちょっとした手土産や
ホワイトデーのプレゼントなどにいかがでしょうか。
「ベリーのチョコケーキ」
バレンタイン用の焼き菓子を作っていたら、
突然チョコケーキが食べたい…という衝動に動かされて作ってみました。
自分自身が食べたいチョコケーキです。
まず飲み物なしで食べることができるほど口溶けが良く、
ビターでありながら、ちゃんとしたスイートさもあるチョコチョコしないケーキ。
チョコとよく合うベリーの酸味を味わえる爽やかなケーキ。
これらがバランスよく味わえて、
後味にチョコレートの余韻が続くケーキなどなど。
欲の深いケーキですが、材料の配合や組み合わせ、
素材の混ぜ方、焼き方など工夫して店頭に並びました。
あとはお客様の味覚に合うのかどうか…です。
しっかりとココアの効いたビターなバターケーキの生地に
クーベルチュールスイートチョコをフレークしたものを混ぜ、
たっぷりのラズベリーをはさんで焼き上げます。
ほろ苦さ、甘酸っぱさ、ミルキーさ、
クリーミーさのある口溶けのよいケーキで、
甘さ控えめの、爽やかだけど濃厚さも感じるケーキができました。
これはサワーチェリーとラズベリーのチョコケーキです。